カテゴリ:我が家の改造( 13 )

我が家の改造(その13)-完成 そして住み続ける-

2003年5月、残っていた部分も竣工し、改造工事が終了しました。
最初はいろいろトラブル(未竣工部分からネズミが侵入なんてことも!)がありましたが、外壁のモルタルも落ち着いた色に着色され全体が完成すると、いよいよ新しくなった我が家での生活が始まりました。(左:改造前、右:改造後)
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ちょうど完成した年の春から初夏にかけては、比較的雨の日が多く、梅雨に入ってもいないのにジメジメとした日が続いたのですが、外から帰って我が家に入ると、特に何もしていないのにカラリとしていて、とても心地よいことに気付きました。
多分、内装に使った無垢の木や薩摩中霧島の調湿効果のおかげと思いますが、思わぬところでの過ごしやすさに、最初はとても驚きました。
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完成から2年が経過し、毎日が当たり前の生活になってしまって、ありがたさが実感しにくいですが、冬あたたかい家、家族がくつろげる家、木のあたたかさに触れられる家になりました。
これは、改造前に「何とかしたい!」と思っていたことがまさに実現したことになります。

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リビングからダイニング・キッチンを見たところ(根羽スギのビッグテーブルとホウノキ、ミズメ、オニグルミのイス)。

最初の冬は、OMソーラーによる蓄熱ももちろんですが、待望の薪ストーブの季節到来という感じで、その2年も前から準備した薪を使った薪ストーブライフが始まりました。
それでも、晴れた日の日中はOMソーラーによる集熱・蓄熱ができることから、ほとんど朝方と夕方に焚くだけで済みました。
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また、南側の窓が大きくなったことから、冬の日差しを目一杯取り入れることができるようになり、南側に面したリビングの窓からかなり奥の部屋まで太陽の光が差すようになりました。
このことにより、天気のよい冬の日はOMの集熱とともに家中暖かくなるようになりました。
ファンコンベクターによる補助暖房はほとんど使いませんでしたが、一番の厳冬期でも室温は12℃から16℃ぐらいに保たれるようになり、改造前からは考えられないような過ごしやすい冬を送ることができました。
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南側の窓から差し込む太陽の光。冬は太陽の高度が低いため、家のかなり奥まで光が差し込む。

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東側に付けたはめ殺しの窓から朝日が。冬には貴重なぬくもりを届けてくれる。

今回の改造工事により、最初の想像以上に住みやすい我が家へと再生することができました。ここまでできたのも、設計していただいた建築家や工事を実施していただいた工務店の方々、本当にたくさんの方々のおかげだと思って感謝しています。

OMソーラー、木の家、薪ストーブ。自然に恵まれた伊那谷で、生活の中にその営みを感じながら過ごせることをとてもうれしく思っています。
子ども達の記憶の中に再生したこの家での生活が刻まれていき、やがて大人になって、形を変えることはあっても、この「我が家」に住み継いでいってもらえたらいいな、と勝手に考えています。                                      ~我が家の改造 おわり~
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by haruhiko_imao | 2005-10-14 22:13 | 我が家の改造

我が家の改造(その12)-一部竣工-

2003年4月、一部分を残して竣工し、改造後のスペースでの生活が始まりました。部分的にできあがったとは言え、一部建具や設備についてはまだ未完成ですし、OMソーラーの方もお湯採りについてはもう少し後になってからということで、本当に、“とりあえず”の状態から始まりました。
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外壁の仕上げは残っているものの、外からの見た目もかなり完成に近くなった。


今回の改造工事で最も変わった空間は、何と言っても、改造前には続きの客間だった、新しいリビングです。
天井を取り払ったリビングは、広がりのある開放的な空間になりました。改造前には屋根裏に隠れていたアカマツの梁も表しになり、これからは目に見えるかたちで、この家を支え続けてくれることになりました。

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新しい我が家のリビング。既存のアカマツの梁が見事に残り、開放的な空間に。


床はすべて根羽スギのフローリングとなり、天井のスギや梁とともに、木のあたたかさに触れることのできる新しい家の象徴ともなりました。また、リビングはキッチンや玄関ホールとも仕切りなしで続く、大空間となりました。

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リビングからみたキッチン(左)と、玄関ホール(右)。



今まで主に来客をもてなすことに使われていた空間が、開放的で本当に気持ちのいいスペースになりました。

ほかにも、改造前の台所が、やはり根羽スギのフローリングと壁が心地よい板の間に、また改造前の茶の間は一部柱等に昔の面影を残し、寝室にと、それぞれ生まれ変わりました。

e0058338_22563430.jpge0058338_22564241.jpg改造前には台所だった部屋は、ワードローブとして使用する板の間に(左)、茶の間だった空間は新しい寝室へ(右)と生まれ変わった。



今回未竣工となった部分は、木のテラス、外壁の仕上げなどで、まだまだ住みながらの改造工事が続くことになりました。
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by haruhiko_imao | 2005-10-11 23:01 | 我が家の改造

我が家の改造(その11)-残せるものは残す-

「残せるものは残す」ということで、改造・再生する前の家で使われていた、柱や壁など、そのまま残して活かせるものは改造後の家の一部として使いました。
ただし、既存の外壁の断熱はほとんどない状態でしたので、既存の壁の外側に断熱材を施工する方法がとられました。

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外壁に断熱材を入れました。既存の壁+構造用合板+断熱材+外壁下地という順序で施工。

柱や壁、外回りだけでなく、家の中についても残せるものは残しました。
ただし、竣工後表面に残る(目に見える)ものは、改造前の客間の梁ぐらいで、それ以外は、上から新しい仕上げを施工するため、目には見えないかたちで残ることになりました。

まず、これまで茶の間だった部屋の天井はそのままに、上から新しい仕上げの下地を組んで、スギ板が張られました。この部屋はこれから寝室となります。

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これまで茶の間だった天井はそのまま残し、その上からスギ板を張って新しい天井に仕上げた。

また、リビングとなる旧客間の壁も同じように、取り壊すことなくそのままの位置で残ることになり、その上に新しい仕上げが施工されました。

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e0058338_20542475.jpg旧客間の壁も残して(上左)、その上に石膏ボード(上右)、薩摩中霧島が塗られた(下左)。これからはリビングとして、家族の空間に。


こうやって、古い天井や壁などが新しくなっていったわけですが、出来上がると少しも違和感がなく、見た目には新たに作られたのと何ら変わらないかたちに仕上がりました。
けれども、新しい仕上げの下に、これまで暮らしてきた家の仕上げが残っている――。あたかも、前の家の記憶が新しい家に引き継がれ、自分の心の中に刻まれたような気がしました。

つまり、前の家は壊されたのではなく、新しい家と一体化したのだと。

こういったところが、改造の良さかなと感じました。
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by haruhiko_imao | 2005-10-05 20:59 | 我が家の改造

我が家の改造(その10)-OMソーラーの家らしくなる-

屋根のかたちができあがると、OMソーラー関係の機械も次第に取り付けられていきました。
棟ダクトが設置され、小屋裏のスペースが確保されるとハンドリングボックスが取り付けられました。
改造後のOM対象床面積から、ハンドリングボックスは2台設置されることになり、立ち下がりダクトも寝室の押入に1本と玄関ホールに1本付くことになりました。


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棟ダクト(写真左)、ハンドリングボックス2台(写真右)が取り付けられた。



そしていよいよ肝心の、集熱パネルの設置です。
取り付けられた時期は、工事もかなり佳境に入ってからでした。
家のかたちができあがってから、随分と時間が経っていたので、その間は結構やきもきしていましたが、あっという間に設置され、外観はもう完全にOMソーラーの家になりました。


e0058338_23211515.jpge0058338_23213385.jpgようやく集熱パネルが設置され、外観はOMソーラーの家になった。



近所の方から「あの屋根は何?太陽発電かな?」とよく聞かれ、そのたびにOMの仕組みを説明することになりました。屋根といえば瓦屋根が多い地域のためか、ガラスが載った我が家の外観は、道ゆく人たちの目を引いていたようです。
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by haruhiko_imao | 2005-10-01 23:26 | 我が家の改造

我が家の改造(その9)-家のかたちの変化-

上棟式も無事終わり、既存の棟木よりも一段高いところで新しい家の棟木が作られ、その分屋根も大きくなりました。


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今回の改造工事が、思ったよりも大規模になった理由のひとつに、この、屋根のかたちが大きく変わったことが挙げられます。

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さらに、棟ダクトの通る分北側が高くなったり、一部軒を前に出して増築となったりしたため、南側に向いている屋根は改造前に比べてかなり広くなりました。
この広くなった屋根で集熱することとなります。
また、薪ストーブの煙突も取り付けられ、改造後の家のかたちが、だいたい出来上がりました。
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by haruhiko_imao | 2005-09-25 13:46 | 我が家の改造

我が家の改造(その8)-みるみる姿を変える我が家-

基礎工事が終わると、屋根の瓦が取り除かれ、垂木も一部取り外されたりして、屋根の形がみるみる変わっていきました。


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こうなると本当に骨組みだけの我が家になってしまったという感じで、近所の方からも、「ここまでやるのなら建て替えた方が良かったんじゃない?」とか「これからどうなっちゃうの?」とか言われ、とても心配されました。それでも、南側の屋根の下地や防水シートが張られると、ちょっと安心 という感じになりました。それに、既存の家の屋根は入母屋でしたが、若干その形を残しつつ棟木が高くなり屋根も大きくなったので、だいぶイメージが変わったような気がしました。


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今回の工事は、棟が変わるということで改造工事にもかかわらず上棟式を行うことになりました。と言っても家族、建築家、工務店、棟梁と大工さんでささやかに行われました。

あらかじめ工務店の方から言われたお魚や野菜、果物、お米、御神酒などを用意し、儀式自体はものの数分で終わりになりました。あとの宴は特に行ないませんでしたが、各自の折り詰めやお酒だけは用意しました。


上棟式は当初の工程では11月の下旬の予定でしたが、実際は12月14日に行なわれました。工程表と実際の進み具合を比較すると、若干遅れ気味になっていました。確かに、大工さんの作業を見ていると、ほとんどが現場での加工が必要であったり、既存のものとの取り合いがあったりで、大変だなという感じがよく分かりました。

それでも、日に日に姿を変えていく我が家を見ていると、あともう少しだなという気がして、毎朝出勤前に外から眺めたり写真を撮ったりする日が続きました。
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by haruhiko_imao | 2005-09-21 00:07 | 我が家の改造

我が家の改造(その7)-土間コンクリートの打設-

改造工事中は、隣接する長屋の一室(14畳ぐらい)を仮住まいとし、トイレとお風呂だけは改造する母屋のものを使って生活することになりました。
従って、トイレとお風呂周り以外は最初に改造を済ませ、最後に残った部分の工事を行う段取りになりました。

まず最初に、周りの主な壁が取り払われ、床や天井もはがされました。

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e0058338_21505236.jpg主な壁が取り払われ、改造に向けて工事が進む。天井もはがされ、我が家を支えてきたアカマツの梁が現れた。

こうなると我が家も心もとなくなるもので、何だか大変なことになって しまったような気持ちにさえなりました。それでも、天井がはがされたその上には、今までその存在を表に出すことなくこの家を支えてきた アカマツの梁が現れ、今までの我が家から新しい我が家へバトンタッチする象徴のように思えて、少しは心強くさせてくれました。

今回の改造工事は、住みながらの改造ではありませんでしたので、既存の布基礎にプラスして土間コンクリートを打設し蓄熱層とすること になりました。一番最初はポリタンクに水をためて…と思っていましたので、ずいぶんしっかりした基礎になったような気がしました。それでも、この基礎工事は予想外に大変だったようで、11月の半ばまでかかりました。

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基礎工事は予想以上に大変だったようで、工事にも時間がかかった。
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by haruhiko_imao | 2005-09-15 22:02 | 我が家の改造

我が家の改造(その6)-工務店の見積り、着工-

いよいよ設計が終了し、工務店への見積りという段階になりました。
私の住んでいる地域のOM加盟工務店は1社のみでしたが、この工務店が施工した家もすでに何軒か見ていたので、見積りをお願いしました。
今回の工事は改造とはいえ、かなりのところまで手を入れる点や、完成後はほとんど新築と変わらない仕上げになる点、断熱についても、ほとんどゼロのものからある程度の性能まで高めなければならない点などから、ある程度の金額までいくとは覚悟していました。

ところが、 いざ工務店からでてきた見積りの額は、我々の予想したものを上回っていました。

予算の関係もありましたが、全体を考えて節約するものは節約し、譲れないものはそのままでいく、その一方で見積りの中の不備な点は工務店にお願いして直してもらったりして、結局いくらかは下げることができましたが、それでも最終的な金額は最初に我々が予想してい たものよりは上をいっていました。

しかし、同じ価格で既存の家を取り壊して全く同じものを新築することができるかといえば、恐らく無理であることから、コスト的な面では改造工事は有利であると思いましたが、もっとコストを削減するならば、はじめからそれを意識して設計の内容を検討する必要があるかな、とも思いました。

このコストをとるか自分たちの納得のいく内容をとるかは、新築の場合も改造の場合も同じだと思います。いずれにしても、設計内容が決まり、工務店とも契約を交わして20002年の10月下旬に着工の運びとなりました。
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by haruhiko_imao | 2005-09-15 21:46 | 我が家の改造

我が家の改造(その5)-設計が進む-

我が家の改造工事の設計に先立ち、主に以下の点を設計する建築家にお願いした。

1 補助暖房には、ぜひ薪ストーブを採用したい
2 温熱環境としては、特に冬の寒さがこたえるので、これを何とかしたい
3 親子の団らんに重点を置いた家にしたい
4 木、特に地元のスギやヒノキのあたたかさに触れることのできる家にしたい
5 子どもたちのスペースとして、ロフトのような空間が欲しい

このうち、3番目の親子の団らんについては、一番日当たりのいい客間をリビングとキッチンの続きにして、天井は取り払い、既存のアカマツの梁を表しにするなど、開放的な空間とした。

また、4番目の木のあたたかさに触れられる家については、和室以外は基本的に地元のスギのフローリング(厚さ30ミリ)とした。
このスギのフローリングについては、肌触りがやわらかい反面傷が付きやすいことから、小さい子どもがいる我が家ではどうかと思ったが、足へのやさしさや肌触りの気持ちよさには代え難いものがあると感じて、全面的に使うことにした。
また、新設する一部の梁も、同じ 地元のスギにすることにした。

5番目のロフトについては、既存の家は平屋建てで改造後も平屋のままだったので、棟木を一段高くし、ロフトの部分を確保することになった。
従って屋根の形も若干変わることになった。このほかに、いくつかの部屋で広さ確保のために、軒をいくらか前に出して若干の増築とした。
また、日当たりのよくなったキッチンには外との中間のようなスペースを連続させ、畑からの野菜を予洗いしたりする流しや洗濯機を置くこととした。
お風呂については、10年くらい前にリフォームでユニットバスを付けたので、今回は特にいじらないこととした。

設計は2001年の12月くらいから翌年の8月までかかった。本当は春ぐらいに設計が終わり、6月ぐらいから工事が始まれば、寒くなる前に入居できるかなぁと思っていたが、3月に長女が誕生したり、建築家の方でも忙しかったりで、予定よりも時間がかかってしまった。

しかし、今回改造工事の設計で思ったが、今まさに住んでいる家の枠組みがほとんどそのまま新しい家の形になるため、通風や採光についてとてもイメージがしやすく、既存の家に住んでいる時点のああしたい、こうなれば、が、そのまま設計に生かすことができると気づいた。

例えば、夏の風通しについて、今の家の風通しがよいところはそのまま採用し、もっとこの方向からの風を取り入れれば過ごしやすくなるといった点があれば検討するなど、今の生活の状況を新しい家に応用させることができるのではないか。
そう考えると、四季を通して設計を行うことも悪いことではないと思った。
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by haruhiko_imao | 2005-09-14 23:57 | 我が家の改造

我が家の改造(その4)-OMソーラーによる改造を決意-

移り住んだ年の秋、地元の建築家が設計した家の見学会開催の新聞広告が目にとまり、家族で見に行った。
その家はOMソーラーではなかったが、地元のスギやヒノキをふんだんに使った、とても気持ちのよい開放的な家だった。
その建築家はOMソーラーの家の設計も手がける方だったので、ひと月ほど後に、我が家の改造について相談をしたところ、我が家のような築後30年ほどの住宅の再生に積極的に取り組んでいることが判った。

その方の建てる家や、設計の考え方に共感する点が多かったので、設計を依頼するとともに、我が家を見てもらった。
構造的には問題がなさそうなこと、屋根の向きが真南より30度ほど西に寄っているが集熱には支障がなさそうなこと、などから、OMソーラーを導入し、我が家を改造することになった。

2001年の12月のことだった。


ここで、なぜ既存の家を取り壊しOMソーラーの家を新築する道を選ばず、OMソーラーを導入し我が家を改造する道を選んだのか、以下のとおり整理してみた。

◎既存の家は築30年しかたっておらず、全部壊してしまうのはもったいないと思った。
◎我が家が建てられた時期と私が生まれた時期がほとんど同じであり、(寒いとかの)不満はありながらも少なからず家に対する愛着があり、祖父が建てたこの家を住み継ぎたいと考えた。
◎コストの面でも、改造の方が有利だと考えた。

今から考えるといろいろ理由がありそうだが、改造を決めた当時としては、ほとんど新築は頭になかった。

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                      改造前の我が家
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by haruhiko_imao | 2005-09-13 23:28 | 我が家の改造